矢橋六郎氏のモザイク壁画リスト
2018年9月1日 UPDATE 2023年3月12日
モザイク壁画の第一人者、矢橋六郎氏。
岐阜県大垣市出身(1905年11月16日 - 1988年7月4日)。
出典:『矢橋六郎モザイク作品集』
不明を含めて無くなっている作品がいくつもあります。
存在が確認できているのは全体の58%です。
六郎氏も製作に携わった《TOMATO》は、原画は北川民次氏、
近代モザイク社の製作のため、リストにはありません。
カゴメ名古屋本社 2020年に解体
製作年:1962年 高さ3m×幅15m
伊奈製陶(現INAX)が販売していた「ホームタイル」を使用しています。
2.5mm厚で薄く、割りやすく、色数も60色と豊富。
INAXライブミュージアムが中央6m部分の寄贈を受け、本格修復中。
◇作品No4《芸術と平和》
表現の自由を追求する放送局の使命感や矜持が伝わってきます。
CBC会館
CBC(中部日本放送)は日本で最も古い民放局
◇作品No5《untitled》
三島由紀夫邸は、かつて馬込文士村と呼ばれた一角にあります。
川端康成や尾崎士郎など多くの文士や芸術家が暮らした地域です。
東京都大田区南馬込4丁目32-8
今は、売却されて三島ファンの方が住まわれているようで、
白亜の豪邸は、表札もそのまま当時の姿を留めています。
多分、アポロン像の足元にある12星座がモザイク画でしょう。
日時計なのかもしれません。
アポロンの影が指時針、モザイク画が文字盤のように見えます。
1955年発刊、篠山紀信『三島由紀夫の家』より
◇作品No13《海》
名古屋駅前の再開発に呼応する形で、ビルが建て替えられました。
一部はなくなりましたが、新ビルへ移設されました。
旧)大名古屋ビルヂング before
エレベータホールで人の目を楽しませていました。
新)大名古屋ビルヂング after
車寄せで人を温かく出迎えています。
北海道の作品No41は現存しないことが判明しましたが、
北海道でリストにはない作品が見つかりました。
点字ブロックで一部無くなっていますが、ほぼ原状の姿です。
北海道博物館のエントランス床。
◇作品No22《大樹》または《広がる愛知》
愛知県庁西庁舎
◇作品No29《彩雲・流水》
最初に就職した会社の本社が、このビルにありました。
40年ほど前、1年間の勤務でしたが、
大理石の壁・床は、はっきりと記憶に残っています。
新東京ビルヂング
モザイクは床の一部にだけ使われています。
この時は、これがモザイク画という芸術作品とは
思いもよりませんでした。ただ美しさに見惚れました。
ビル1Fのロビー全体が豪華絢爛な壁画。
◇作品No30《緑の散歩》 作品No31《白馬》
四半世紀ほど前、パスポート取得で会館に行った時に、
モザイク画最大級の大きさに圧倒されました。
東京交通会館
1階から3階の壁面全体を覆う最大級のモザイク壁画。
大理石、ズマルト、磁器タイル、金などが散りばめられています。
実は、3階の壁画は、《白馬》として独立した作品。
赤色のモザイクの中に贅沢にもルージュドヴィトロールが使われています。
2019年に熊野三山を旅した時に、是非見たかった作品でしたが、
新宮市民会館は解体に向けて閉鎖中でした。
新しくできた新宮市文化複合施設に移設されました。
◇作品No36《熊野》
新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」2F
2021年10月開館
作品のほとんどは壁画ですが、天井画も数点作成されています。
天井画の作品No47《流水》はビル解体で無くなっています。
◇作品No38《夜空の饗宴》
ビル1Fのロビーに広がる10m×20mの巨大天井画。
90cm×110cmのパネルごとに制作されています。
中部日本ビルディング(中日ビル)
モザイクガラス「ズマルト」を約200万個使用。
『レガシーの継承』
中日ビルは、2019年3月に閉館し建て替え工事が始まりました。
天井画は新しいビルに移設する、という情報にホッとしています。
◇作品No46《花の如くに》
老朽化により会館が2024年度中に解体工事が計画される中、
移設先の見通しが立っていません。
大垣市民会館
縦3.4m×横20.5m。エントランスホールの壁一面を飾っています。
作品No50《天地創造》
作品No56《春の旭日》作品No60《フランス風》
作者の表示がなく、あまり知られていなかった壁画が、
名城大八事キャンパス(名古屋市)にあります。
文化的価値が見直され、保存されることが決定しています。
◇作品No77《薬と生命》
名城大八事キャンパス
薬学の意味が表現されているようです。
モザイク壁画の鑑賞